SPSS Modeler ライセンスの種類について
はじめに
IBM SPSSは、統計解析や予測分析を行うソフトウェアの製品群です。
今回は、そのファミリー製品である ”IBM SPSS Modeler”(以下、「SPSS Modeler」) に係る、ライセンスの種類、およびその概要にフォーカスして、 ご紹介します。 IBM SPSSファミリー製品の詳細についてご興味のある方は、以下のコラムをご参照ください。
【参照先】
SPSS早わかり」統計からビッグデータ分析まで。様々なシーンで使える分析環境(その1):ファミリー製品紹介編
次のセクションでは、SPSS Modelerに係るライセンスの種類について、ご紹介します。
SPSS Modeler : ライセンスの種類について
SPSS Modeler には、以下2種類のライセンス体系があります。
- Authorized User ライセンス(許可ユーザーライセンス)
- Concurrent User ライセンス(同時ユーザーライセンス)
各ライセンスのイメージは、以下のとおりです。
Authorized User ライセンス(ライセンス購入数:3)
Concurrent User ライセンス(ライセンス購入数:5)
各ライセンスの概要を、下記表へ示します。
ライセンス種別 | 概要説明 | 導入要件 | その他 特記事項 | |
---|---|---|---|---|
1 | Authorized Userライセンス (許可ユーザーライセンス) | いわゆる「シングルユーザーライセンス」。 SPSS Modeler Client(以下、「Modeler Client」)に係るユーザーを、限定して利用するライセンス。 1つのModeler Clientに対し、1ライセンスを購入する必要がある。 | 社内や学内における、自分以外のユーザーによる、Modeler Clientの利用(起動)状況を気にすることなく、SPSS Modeler Client を利用したい。 | (特記事なし。) |
2 | Concurrent Userライセンス (同時ユーザーライセンス) | 前者に対し、こちらは「同時接続ネットワークライセンス」。 同時接続ライセンス管理ソフトウェア「ライセンス・マネージャー」を導入することにより、各クライアントマシン上のModeler Client起動可否を管理する。 購入したライセンス数を超過して、Modeler Clientを起動することはできない。 Modeler Clientは、「ライセンス・マネージャー」と疎通(=ネットワーク接続)可能である事が、必須条件である。 | Modeler Client を利用するユーザーは10人いる。 しかしながら、常にその10人が同時に、Modeler Clientを利用する訳ではない。同時にModeler Clientを利用する人数は、最大5人である。 このような場合は、当ライセンスを5ユーザー分購入すれば、要件を満たすことができる。 | 左記、「概要説明」で触れた「ライセンス・マネージャー」は、冗長(リダンダント)構成を組むことができる。 冗長構成を組むことにより、1台目のサーバーがクラッシュしても、別の冗長サーバーによって、ライセンス管理を引き継ぐことができる。 冗長機能を有効にするには、特殊なライセンス・コードが必要になる。 冗長構成の詳細については、コチラを参照。 |
次のセクションでは、「2) Concurrent User ライセンス(同時ユーザーライセンス)」 にフォーカスし、「ライセンス・マネージャー」で利用可能な機能ついて、ご紹介します。
「ライセンス・マネージャー」で利用可能な機能について
ここまでの内容で、「Concurrent User ライセンス」を導入(採用)する場合は、「ライセンス・マネージャー」の導入が必須である旨、ご理解いただけたと思います。 「ライセンス・マネージャー」では、以下2つの機能について利用可能です。
- ライセンス予約機能
- コミューター・ライセンス機能
各機能の概要を、下記表へ示します。
機能名 | 概要説明 | |
---|---|---|
1 | ライセンス予約機能 | 特定のユーザーを、「Concurrent Userライセンスを優先して、利用可能なユーザー」として、「ライセンス・マネージャー」へ登録することができる機能。 また一方で、特定のユーザーを「Concurrent Userライセンスを利用できないユーザー」として、登録することも可能。 当該ユーザーは、クライアントマシンのログインユーザー名、または コンピューター名(=PCを識別する名称)によって、識別される。 |
2 | コミューター・ライセンス機能 | Modeler Client起動時、「ライセンス・マネージャー」と通信することなく、「Concurrent User ライセンス」を使用することができる機能。 ただし その事前に、クライアントマシンから「ライセンス・マネージャー」へ接続可能な状態で、クライアントマシンにおいて、 当機能による「チェックアウト(=ライセンスの持ち出し)」を行っておく必要がある。用件が済んだら、「チェックイン(=ライセンスの返却)」を行う。 |