「SPSS早わかり」統計からビッグデータ分析まで。様々なシーンで使える分析環境(その4):CADSジョブ実行編
はじめに
※このコラムはCADS(リポジトリ)編の続きになります。CADS(リポジトリ)編を未読の方はそちらもお読みください。
IBM SPSSは統計解析や予測分析を行うソフトウェアの製品群です。
SPSS製品ファミリーが今ひとつ理解しづらい、とか、分析資産の一元管理や分析結果を運用する仕組みはどうすれば良いのか、などというご質問が多くありました。
そのような声にお応えするべく、分析から運用までをサポートするSPSS製品ファミリーの機能内容を実際の画面イメージをご覧頂きながら、ご紹介する全5回のコラム、スタートです。
第4回はIBM SPSS Collaboration and Deployment Services(以下「CADS」と呼ぶ)のジョブ実行機能について紹介します。
前回のコラムでCADSには分析資産を一元管理するためのリポジトリとしての機能があることを紹介しました。
CADSには分析資産をただ保管するだけでなく、保管されている分析処理を実行する機能が備わっています。
CADSリポジトリ内の分析処理の実行の仕組みについて
CADSは分析処理を直接実行できるわけではありません。ユーザーからCADSに分析処理の実行が命令された場合、
CADSはIBM SPSS Modeler Server(以下「Modeler Server」と呼ぶ)に分析処理を依頼し、その実行結果をCADSにて保持しています。
分析処理はModeler Serverで実行されるので、DBやファイルへの読み書きはModeler サーバ上で行われます。
CADSリポジトリ内の分析処理を実行するための準備
ここからは実際にCADSリポジトリ内の分析処理を実行するまでの作業の流れを説明します。CADSクライアントソフト(CADS Deployment Manager)の画面キャプチャと併せて解説します。
1.分析処理に使用するModeler ServerやDWHをCADSに登録する。
画像はCADSにModeler Serverの定義を表示しています。分析処理に使用するサーバのIPアドレスや
ポート番号等を登録していることが分かります。
2.ジョブを作成する。
ジョブとはCADSで作成する処理のことであり、このジョブの中に分析処理等を配置していきます。
ジョブはGUIで作成することができます。
画像はジョブを作成している画面のキャプチャです。「データ加工処理.str_step」等のアイコン一つ一つがSPSS Modelerで作成した分析処理(ストリームファイル)を表します。画像では分析処理を矢印で接続しており、2つの処理を立て続けに実行します。
ここまででCADSリポジトリ内の分析処理を実行できるようになっています。
作成したジョブを実行する(手動実行)
ここからはジョブの実行と結果確認の仕方を実際の画面と併せて紹介します。
1.ジョブを実行する。
実行するジョブを選んで「ジョブの実行」で実行することができます。
2.ジョブ実行結果を確認する。
実行したジョブはジョブ履歴画面から実行結果を確認することができます。
画像にはジョブ実行結果・ジョブ実行日時・ジョブ実行時間等が表示されています。
日時を指定してジョブを実行する(スケジュール実行)
先ほど作成したジョブは日時を指定して実行することも可能です。
スケジュールの登録と確認について実際の画面と併せて紹介します。
1.ジョブをスケジュール登録する。
ジョブの開始時刻や繰り返し周期等を設定することができます。
2.スケジュール登録できていることを確認する。
登録されているスケジュール実行はジョブスケジュール画面から確認することができます。
次回のジョブ実行タイミングや既に実行したスケジュールである場合は実行結果を確認することができます。
ジョブ実行結果はジョブ履歴画面からも確認できます。
最後に
今回はCADSから分析処理を実行する手順を実際のCADSクライアント画面を交えて紹介しました。
難しい操作は無いので、分析者の方でも慣れれば簡単にCADS上から分析処理を実行できると思います。
分析資産の一元管理とジョブ化の両方を行いたい場合はCADSの使用を検討してみてはいかがでしょうか。
次回はCADSのリアルタイムスコアリングについて解説します。
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