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【気象データ活用のススメ】「TWCサービス」で、「ウェザー・マーチャンダイジング」をはじめてみませんか?

   

はじめに

「TWCサービス」で、「ウェザー・マーチャンダイジング」をはじめてみませんか?

「ウェザー・マーチャンダイジング」とは、気象情報を活用して、売上向上等につなげる販売促進計画の手法です。
TWC(The Weather Company)は、世界中の気象データとそれを活用したソリューションを提供する、IBM社のグループ企業です。
TWCは、世界有数の天気予報評価企業である ForecastWatch社によって、「世界で最も正確な(気象予報)プロバイダー」として評価されています。
当社(株)AITでは、TWCが提供する各種データを、データ分析が行いやすい形式(CSV、データベース)へ自動変換する、当社独自のサービス「TWCサービス」を提供しております。

今回は、「様々なモノ(物)・コト(事象)」 と 「気象情報」との関連性(相関性)を示すことを想定し、
各省庁、および地方公共団体が提供する、4種の「オープンデータ」 とTWCが提供する 「気象データ」 との相関分析を行いました。
その分析結果と考察について、ご紹介します。

経済産業省「鉱工業出荷指数」[*1] と 「TWC気象履歴データ」:相関分析と考察

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▲相関分析結果 [*1]

【説明】
データ対象期間:2016年9月~2021年8月
表の見方:
縦軸:鉱工業に係る業種名
横軸:「TWCの気象履歴データ」の項目名( ※ 上記対象期間における、東京の気象データを取得しています。)
」あるいは「」が付いている項目は、相関係数の絶対値が「0.7以上」を示し、かつ「重要度(1-p)による相関強度」が「強い」と示された項目です。
凡例のとおり、「」が正の相関(=一方の数値が上昇すると、もう一方の数値も上昇する。)を示し、「」が負の相関(=一方の数値が上昇すると、もう一方の数値が下降する。)を示した項目です。
相関係数の絶対値が0.7未満を示した業種、TWC項目については、上記表には表示されていません。

【考察】
「清涼飲料水」は、いわゆる「昇温商品」です。「気温」や「最高気温」と強い正の相関があることは、よく知られたことですね。
しかしながら、「平均海面気圧」と強い負の相関がある(=「平均海面気圧」が上昇すると、清涼飲料水産業の出荷指数が下がる。)ことは、新たな発見であると考えます。
「乳製品」については、あまり気象データと相関がないことを想定していましたが、「紫外線指数」と強い正の相関を示しました。
今回は「業種別」という、大きな括りに係る相関分析を行いました。
これを、より細かい単位にしたり、気象以外の要素と組み合わせたりしてデータ分析を行えば、商品需要予測ができるかも知れません。

農林水産省「農産物価格指数」[*2] と 「TWC気象履歴データ」:相関分析と考察

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▲相関分析結果 [*2]

【説明】
データ対象期間:2015年1月~2019年12月
表の見方:
縦軸:農産物名
横軸:「TWCの気象履歴データ」の項目名( ※ 上記対象期間における、東京の気象データを取得しています。)
」や「」については、前述の「鉱工業出荷指数」の事例と同様です。
相関係数の絶対値が0.7未満を示した農産物、TWC項目については、上記表には表示されていません。

【考察】
「米」に注目して下さい。「視程」と強い負の相関がある、という結果となりました。
「視程」は、聞き慣れない言葉かも知れません。「視程」とは、「肉眼で物体がはっきりと確認できる最大の距離」のことです。
霧、大雨、その他の気象現象により、「視程=0km」まで低下することがあります。
「視程」の値が小さい、つまり視界が悪い状態が継続すると、「米」の価格指数高騰に影響する、ということが分かりました。
TWCは、農業に特化したデータも保持しています。これらのデータを利用すれば、より精緻化されたデータ分析を行うことも可能です。

札幌市円山動物園「入園者数」[*3] と 「TWC気象履歴データ」:相関分析と考察

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▲相関分析結果 [*3]

【説明】
データ対象期間:2018年1月~2020年12月
表の見方:
縦軸:入園者種別(有料入園者、無料入園者、無料入園者については、内訳あり。)
横軸:「TWCの気象履歴データ」の項目名( ※ 上記対象期間における、札幌市円山動物園の気象データを取得しています。)
」や「」については、前述の「鉱工業出荷指数」の事例と同様です。
相関係数の絶対値が0.7未満を示したTWC項目については、上記表には表示されていません。

【考察】
多くの「無料入園者」については、気象データと強い正の相関がある、という結果となりました。
該当する項目は、主に気温の系統です。
「体感温度」については、TWCでは定量的な値、つまり「○℃」といった値を算出しています。
なお、「有料入園者数」については、相関係数が0.7に満たなかったものの、
「過去24時間の最高気温」、「紫外線指数」については、「0.61~0.66」を示しました。
さらに、休祝日等を考慮したデータ分析を行えば、来園者予測を行うことも、可能であると考えます。

神奈川県警「交通事故発生件数」[*4] と 「TWC気象履歴データ」:相関分析と考察

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▲相関分析結果 [*4]

【説明】
データ対象期間:2016年1月~2020年12月
表の見方:
縦軸:事故発生件数と状況(死者数、負傷者数)
横軸:「TWCの気象履歴データ」の項目名( ※ 上記対象期間における、横浜地方気象台の所在地に係る、気象データを取得しています。)
」や「」については、前述の「鉱工業出荷指数」の事例と同様です。
相関係数の絶対値が0.7未満を示したTWC項目については、上記表には表示されていません。

【考察】
「事故件数」および「負傷者数」については、「年間降雪量」と強い正の相関がある、という結果となりました。
このような結果から、路面状況の悪化は、交通事故発生要因の一つであると考えられます。
しかしながら、発生時間帯や曜日にも、かなり関係があると、言われています。
今回の分析に使用したデータは、年月単位で集計したデータです。
時間帯別、かつ地域が細分化されたデータで分析を行えば、交通事故と気象データの新たな相関を、発見できるかも知れません。
また、その結果、今まで以上に効果的な事故防止の呼び掛け等に、役立てられるのではないでしょうか。

弊社独自サービス「TWCサービス」 について

今回の相関分析に使用した「TWC履歴データ」は、当社の独自サービス「TWCサービス」を利用して、取得しました。
「TWCサービス」の概要図を、以下に示します。

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▲TWCサービス」概要図

TWC気象データは、JSON形式でCloud上に保存されています。
「TWCサービス」は、これをCSV形式へ変換したり、データベースへ挿入したりします。
また、データ取得時に、何らかのエラーが発生した際は、Eメールによる、リアルタイムアラート通知を行います。
さらに、「汎用的なサービス」であるため、スピーディーな導入が可能です。
今回の様々な「相関分析」は、「TWCサービス」と「IBM SPSS」を、組み合わせて行いました。
「TWCサービス」と「IBM SPSS」で、効率的なデータ分析や運用の簡素化を、実現しましょう。

本件に係るお問い合わせは、こちらよりお願い致します。

文中注釈(出典)
*1・・・出典:「鉱工業指数 統計表一覧(データダウンロード)」 (経済産業省)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/b2015_result-2.html を加工し、(株)AITが当データ分析に利用。
*2・・・出典:「農業物価統計調査」 (農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noubukka/index.html#y を加工し、(株)AITが当データ分析に利用。
*3・・・出典:「札幌市円山動物園の入場者数」 (札幌市)
https://ckan.pf-sapporo.jp/dataset/sapporo_maruyama_zoo_visitors を加工し、(株)AITが当データ分析に利用。
*4・・・出典:「交通事故発生状況」 (神奈川県警察)
https://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0003.htm を加工し、(株)AITが当データ分析に利用。