「SPSS早わかり」統計からビッグデータ分析まで。様々なシーンで使える分析環境(その5):CADSリアルタイムスコアリング編
はじめに
※このコラムはCADS(ジョブ実行)編の続きになります。CADS(ジョブ実行)編を未読の方はそちらもお読みください。
IBM SPSSは統計解析や予測分析を行うソフトウェアの製品群です。
SPSS製品ファミリーが今ひとつ理解しづらい、とか、分析資産の一元管理や分析結果を運用する仕組みはどうすれば良いのか、などというご質問が多くありました。
そのような声にお応えするべく、分析から運用までをサポートするSPSS製品ファミリーの機能内容を実際の画面イメージをご覧頂きながら、ご紹介する全5回のコラム、スタートです。
第5回はIBM SPSS Collaboration and Deployment Services(以下「CADS」と呼ぶ)のリアルタイムスコアリング機能について紹介します。
リアルタイムスコアリングとは?
リアルタイムスコアリングとは、CADSが分析処理を行うWEBサーバとして動作する機能です。CADSに対してWeb APIを介して分析したいデータを与えると、そのデータに対する分析結果が返ってきます。
CADSが使用する分析処理はCADSリポジトリに登録されているものから選択することができます。
リアルタイムスコアリングで対応しているAPIはSOAP APIとREST APIの2種類です。
リアルタイムスコアリング機能を用いればSPSS Modeler等の分析ツールを持っていない人でも分析を実行することができます(分析処理を作るにはSPSS Modelerは必要になりますが)。
そのため、SPSSライセンスを所持していない人を含む多数の人に分析処理を展開したいという場合にリアルタイムスコアリングは有効です。
リアルタイムスコアリングの設定の流れ
ここからはリアルタイムスコアリングを設定するまでに必要な作業を紹介します。
1.SPSS Modelerで分析処理を作成し、CADSリポジトリに登録する。
2.リアルタイムスコアリング構成を作成する。
リアルタイムスコアリングの各種設定をCADS上で行います。
例えば「どの分析処理をリアルタイムスコアリングに使用するのか?」・「分析処理に与える入力値はどこから取得するのか?(手入力するのかDBから取得するのか等)」・「分析結果としてどの変数を返すのか?」等の設定を行います。
<スコアリング構成サンプル画像>
Deployment Portalからリアルタイムスコアリングを実行する
CADSにはDeployment PortalというWEBブラウザで利用する管理機能があらかじめ用意されています。
CADSをインストールするとDeployment Portalも使用可能になり、リアルタイムスコアリングを実行することができます。
1.Deployment PortalにWEBブラウザでアクセスする。
2.実行したい分析処理の画面からデータを入力し、分析を実行する
データを入力すると即座に分析結果が表示されます。
アプリケーションを作成し、リアルタイムスコアリングを実行する
自作のアプリケーションからリアルタイムスコアリングの機能を利用することも可能です。
以下の画面はWEBアプリケーションを作成してリアルタイムスコアリングを使用している例になります。
この例ではCADSのREST APIを使用し分析結果を取得しています。
最後に
今回はCADSのリアルタイムスコアリングについて紹介しました。
リアルタイムスコアリングは以下の場面で有効です。
・ 分析処理を多数のユーザーで共有したい
・ 分析処理を他のアプリケーションと連携させたい
そのような要件があればCADSのリアルタイムスコアリング機能を検討してみてはいかがでしょうか。
今回で全5回のSPSSの製品紹介コラムは終了となります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
・関連記事(弊社製品紹介ページ)
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https://www.ait-solution.jp/ai365/spss_statistics/
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以下はあるお客様の実例です。リアルタイムスコアリングシステムを構築した経緯をご覧いただけます。
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