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従業員 6000 人の健康データを分析、職場の活き活き度向上
-株式会社フジクラ様


社員の健康データの分析を通して、活性化と業務生産性を向上し、健康経営を実現。 人事部が中心になってデータを分析し、社員ごとにカスタマイズされた情報を提供。

株式会社フジクラ(以下、フジクラ)では、人事部門が中心となって社員の健康増進と活性化を目的にした取り組みを推進。膨大なバイタルデータの分析に向けIBM SPSS(以下、SPSS)を導入し、社員の活性化と業務生産性の向上などの大きな成果をあげている。

「健康経営」施策に伴う膨大なバイタルデータの分析と管理

人事部 健康経営推進室 副室長 浅野 健一郎 氏は、社員の健康管理に向けたフクジラの取り組みについて、「厳しさが増すビジネス環境の中で企業活動の継続・発展を推進するためには、社員による大きなチャレンジ意識が必要であり、社員が活き活きと働けるための健康管理や環境整備が急務となりました。このため人事部では、健康を増進するための施策として、健康経営プロジェクト “フジクラ元気プロジェクト”を立ち上げました。」と語る。

しかし、取り組みを進める中で浮上したのが、データを管理・分析するための仕組みに関わる問題だった。健康データは、個々の社員の意思でアップロードし、診断結果を参照できるようになっており、毎日アップする社員もいる。また最低1年に1回の定期健診のデータがアップされるため1ヶ月のデータ量は100万件におよび、累計では5,000万レコードにものぼった。「当初はEXCELを使用していましたが、データ量は増加の一途を辿り、EXCELでの取扱いが困難となってきました。どのような施策を実行すれば、どのような結果を得られるかという知見が無い状態だったので、取得できるデータはすべて保存するという考えでした。」(浅野氏)

こうして同社では、EXCELに代わり大量のバイタルデータを分析し、分析結果を明確に見ることができる分析ツールの選定を開始した。

分析の専門家ではない人事担当者に最適な分析ツール「SPSS」

人事部 健康経営推進室 主席技術員 大橋 重徳氏は、「私自身は分析に関しては素人だと思っています。しかし、SPSSの場合には『説明不要で直観的に使える』、『視覚的に判断できる』、『使い易い』といった特長があり、自分でも十分活用することができると感じました。」と話す。 大橋氏は、「SPSSは、開発言語でのコーディングが不要であり、市場シェアも高く、使用許諾型ではないライセンス体系も要件に合っていると思いました。」と語る。

SPSSは、永久ライセンスという形での契約であり、他のベンダーが提供する製品の使用量に応じた使用許諾型ライセンスとは異なった契約形態だった。また、ある調査会社から提供された国内シェアは、46.4%(2010年)で、他社製品の18.7%(2010年)大きく上回っていた。

「あくまで分析の専門家集団ではない」と位置付ける人事部門が活用できる分析ツールとしてはSPSSがふさわしいとの判断し、2012年半ばにSPSSの採用を決定。IBM社とAIT社のサポートを受ける形で導入プロジェクトを開始した。

個人ごとにカスタマイズされたレポートを提供し、健康増進と業務生産性を向上

SPSS導入を含めた施策全体による効果について篠原氏は、「歩くという行動を見ても、その距離が右肩上がりで伸びており、これに比例するように健康診断結果のデータも良くなっています。 実態として見えてきたのは行動を業務生産性の関係で、“健康な人ほど生産性が高い”ということが明らかになっています。また、すべてがそうとは言い切れませんが、社員の健康が増進されて活性化が進むにつれ、職場での活き活きしたワークエンゲージメントが見られています。」と強調した。

2013年からは、個人を対象にカスタマイズされた情報を提供することで、社員の関心をより高め、活性化に向けた社員の日々の自発的な活動促進に成功した。浅野氏は、施策の具現化に向けSPSSの機能が不可欠であったことを強調し次のように話す。「外部の事業者を使ったシステム開発という手段では絶対実現できない要件でしたが、SPSSにより内製化した分析と運用ができ、さらにその機能によって5,000を超えるグラフのバリエーションをSPSS上に搭載することで、社員の方々が飽きることのない個別化されたレポートを提供できたことは、社員が自発的に、しかも楽しんで取り組むことつながり、非常に大きな導入効果がありました。」

浅野氏は、AIT社によるサポートにも言及し「分析の専門家ではない私達ですが、AIT社から『こんなことも知らないのですか?』といった対応を受けたことは一度もなく、共にプロジェクトに取り組むという姿勢をもって参画していただいています。安心感・信頼感をもって長くお付き合いできるパートナーとしての関係が構築されています。」と語る。

社員に飽きられない“進化する”情報提供を目指しSPSSを活用 企業が社員を管理するための情報収集と管理ではなく、 徹底的に「社員一人ひとりに対する情報提供」に注力

SPSSを導入し、期待した導入効果を享受した同社だが、既にその視線は未来に向けられている。今後の展望について浅野氏は、「個人向けの情報を提供すると社員の方のモラルが高まり、活き活き度が向上します。しかし、一度提示した情報はすぐに“あたりまえのモノ” “過去のモノ“ となってしまうため、次々に進化する形で新たな情報提供をしていく必要があります。新しい計測器のデータの取り込みなど、新たな分析アルゴリズムを作り提供していきたいと思っており、SPSSについてもさらに活用していきたいと考えています。」

会社が社員を管理するためのデータ取得という考え方ではなく、あくまで社員の自主的な行動を尊重しながら活性化に関わる分析レポートを提供するフクジラの人事部。 各社員に歓迎され、飽きられることのない個人化された情報のフィードバックを継続するために、SPSSとWatson Analyticsは既に必要不可欠な存在となっている。

最後に浅野氏は、「私達が求めている活性化された状態とは、単に“病気ではない”というものではありません。個々の社員の方が活き活きと活動する姿なのです。この実現に向け、プロジェクトを進めていくために、さらにSPSSとWatson Analyticsを活用していきたいと思っています。」と締めくくった。

※2016年9月取材

実績企業プロフィール

株式会社フジクラ様(Fujikura Ltd.)

1885年の創業以来、電線・ケーブルの研究開発で培ってきたテクノロジー・ノウハウを背景に、エネルギー、情報通信、エレクトロニクス、自動車電装の4つの事業分野で高品質な製品やサービスを提供。

所在地〒135-8512 東京都江東区木場1-5-1(本社)
設立年月1885年(明治18年)2月
事業概要
  1. エネルギー
  2. 情報通信
  3. エレクトロニクス
  4. 自動車電装
  5. 不動産

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