データ分析チームをつくろう(その3):企業経営者の方にお伝えしたいこと

   

データ分析チームをつくろう(その3):企業経営者の方にお伝えしたいこと

最近、“データサイエンティスト” が、「今一番クールな職業」とか、「就職でも引く手あまた」とか、よく言われていますが、実情はどうなのでしょうか?

私たちが分析をお手伝いするのは、いわゆる“事業会社”の分析担当の方たちです。部門でいうと、営業企画・マーケティングといった営業支援的な部門から、製造業ですと生産管理・品質管理、といった部門の方まで様々です。
このような部門に配属されている社員の方のほとんどは、日頃の現業をこなしながら、売り上げ向上や品質向上のための手段として分析業務を実施されています。自社業務のための分析をこなすうちに、当然スキルも向上し当初予定した以外の適用範囲まで分析を広げられるなどの素晴らしい成果をあげられる例も多くあります。

しかしながら、残念なことに多くの事業会社では、“部署異動” “配置転換”といった人事施策により、せっかく習得された分析スキルを継続して発揮できなくなってしまうケースがあります。スキルある方が異動された後は、新たなメンバーがスキルを身に着けることを始められるか、半ばあきらめてできる範囲のことしかこなさなくなるか、ケースは様々です。

これは、データ分析に長けた人材(≒データサイエンティスト)が、企業の中で独立した職種として認知されにくい現状があるからだと考えます。職種として認知されてないわけですから当然キャリアパスもありません。日本でAI活用・データ活用の進みが遅い要因のひとつと言えます。

“DX推進” などの名称で独立した部門がようやく日本企業の中でも立ち上がりはじめ、AI活用・データ活用がより進みそうな気配もあります。
企業経営者の方には、“データサイエンティスト” が企業に必要な職種として認知され、CDO(Chief Digital OfficerまたはChief Data Officer)を、企業にとって重要なポストに位置づけていただくことを強く期待します。